難易度 | 作業時間 | 予算 |
---|---|---|
初級 | 30分〜 | 2500円〜 |
この記事では、ビッグリードバルブの役割・交換方法・導入後の効果・行ったセッティングについて解説しております。
2サイクルエンジンでのみ採用されているリードバルブは、混合気をエンジン内に取り込むための重要部品です。
大開口化された社外品に交換すれば、エンジン出力・レスポンスの向上に効果があります。交換は簡単に行えますので、是非とも最後までご覧ください。
・リードバルブってなに?
・ビッグリードバルブの交換をしたい
・ビッグリードバルブの効果を知りたい
「リードバルブ」ってなに?
リードバルブとは、「吸気弁」の役割を果たすエンジン部品の一つ。2ストローク車のみで採用されており、4ストローク車では吸気バルブにあたります。
混合気はピストンの下降による負圧で、リードバルブを通りシリンダー内に取りこまれます。また混合気が、キャブレター側へ吹き返えしてしまうのを抑制するための「弁」としての役割も果たしています。
「ビッグリードバルブ」に交換したときの効果は?
ビッグリードバルブとは、ノーマルよりも大開口化されたカスタムパーツです。より多くの混合気を取り込むことができるので、エンジン出力の向上に期待が持てます。
より多くの空気が取り込めるビッグキャブレターやパワーフィルターへの交換の際に、合わせて導入したい部品です。もちろんノーマルのままでも効果は見込めます。
交換作業手順
モデル車両「ヤマハ グランドアクシス」で、ビッグリードバルブへの交換手順をご紹介します。
使用した道具
ビッグリードバルブ
KN企画 アクシス AXIS スーパー JOG ジョグ ZR 90 APRIO アプリオ EX TYPE タイプ 2 Ⅱ 3KJ ビッグ リードバ...
KN企画 ビッグリードバルブです。開口面積は12.88㎠。
カーボンタイプが人気ですが、メンテナンスに手間がかかるため「樹脂タイプ」を選択しました。
同社から補修用部品も出ているため、長く使用できる一品です。
リードバルブガスケット
リードバルブ用のガスケットです。本品には付属していないため別で購入が必要です。ラインナップは[0.3/0.5/0.8/1.0mm]
今回は既存品ではなく、ガスケットシート(0.5mm)で自作して用意しました。
セッティングパーツ
エンジン出力が変わるのでキャブレター、駆動系のセッティングが必要になります。
セッティング内容は下記に記しておりますので、そちらを参照してください。
ガスケット除去ツール
エンジンに残ってしまった古いガスケットを撤去するために必要です。スクレーパーとオイルストーンを使用しました。
リードバルブまでアクセスする
リードバルブにアクセスするために、外装などを外します。エンジンに直接ついていますので、スクーターの場合はメットインを外せば出てきます。
キャブレターを外す
次にキャブレターを外します。ガソリンが中から出てくるため、ウエスなどを当てながら作業するといいでしょう。
また再度取り付けるときに、ホースなどの場所がわかるように写真を撮っておきましょう。
メインジェットの番手を変更する
リードバルブを交換するとセッティングが必要になることがあります。
基本はそのママで大丈夫だと思いますが、不安であれば1番手ほど上げておくといいでしょう。
リードバルブを取り外す
リードバルブは、マニーホールドの下についています。
古いガスケットを除去する
リードバルブを取り外すと、車体側にガスケットが残ってしまうことがあります。ガスケットが残った状態だと、段差ができエアを吸い込んだりしてトラブルの元になるので、スクレーパーやオイルストーンを使用して除去しましょう。
新しいリードバルブを取り付ける
新しいリードバルブを取り付けていきます。
ガスケットは新品を使用する
リードバルブの紙ガスケットは必ず新品を使用しましょう。再利用をするとエアーを吸い込んでしまい燃調が乱れる原因となります。
行ったセッティング
ウエイトローラー | |
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交換前 | 5.75g |
交換後 | 4.5g |
セッティングは上記の点を変更しました。
出足が悪くウエイトローラーが重たい時の症状が出ていましたので、1.25g軽くしました。4.0~5.5gも試しましたが、4.5gが出足と加速のバランスが取れていました。
「駆動系セッティングのやり方」を別記事にて紹介していますので、合わせてご覧ください。
交換して効果はあったのか?
走行面での変化は、中〜高回転域での加速が鋭くなり、限界回転域も今まで9000rpm程度だったものが、9600rpm付近まで上昇しました。
セッティングがばっちりと出ているわけではありませんが、良い方向で変化がありました。
しかし燃費の面ではデメリットがありました。平均燃費が「20km/L → 15km/L」まで低下し、通勤車としてはかなりの痛手となりました。
効果はしっかりとありましたので、走行性能の向上を狙いたい方は導入してみてはいかがでしょうか。
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