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エンジンのかかりが悪いのは「イグナイター」が原因かも…?DIYで修理してみた

難易度 作業時間 予算
上級 60分〜 2000円〜

エンジンのかかりが悪い原因は様々ですが、その大半はエアクリーナーなどの吸気系、プラグなどの点火系に絞られます。
ですが全部試してみてもかからない、そんな状況になったことがありますか?

私はあります。
今回は、エンジンの始動不良の原因が「イグナイター」だったときの記録をお伝えします。はんだごてを使用した、DIYで修理も行ってみましたので参考にしてみてください。

対象車両は「アクロス(スズキ)」。
バンディットやカタナなどの同系統のエンジンを使用している車両も要チェックです。

動画でも紹介させていただいておりますので、ぜひご覧になってください。

こんな方にオススメの記事

・エンジンの始動不良が解決しない

・イグナイターの修理方法を知りたい

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イグナイターってなに?

デイトナCDI

クランクの回転信号を元に点火時期の決定と制御を行い、プラグへ電気信号を送っている。

聞き慣れない部品ですが、点火時期の制御を行っている重要な部品です。故障すると始動や回転数の上昇が困難になります。
似た部品に「CDI」があり、聞いたことがある方も多いんではないかと思います。実はCDIがイグナイターの1種なんです。

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修理に至った経緯

起きている症状

  • 1週間放置をするとセルでエンジン始動ができなくなる
  • 1回かかれば、その後はセル1発で始動する
  • ひどい時は3日放置で起こる
  • バッテリー充電直後は症状が軽くなる
  • 押しがけでの始動はできる

この症状に悩まされており、私は色々なことを試してみました。

行った対策

プラグ/プラグコード交換 火花の飛びが不安定だと始動性が悪くなるため
エアクリーナー交換 混合気が濃く出てしまっていると始動性が悪くなるため
バッテリー充電 セルモーターを動かすための電力が弱いと始動性が悪くなるため
キャブレターOH/各種調整 燃調がが狂うと始動性が悪くなるため
漏電チェック バッテリーを充電すれば症状が軽くなることから、漏電しているのではと考えたため

エンジン始動にかかわるところは粗方確認しました。
全て一時的な効果はあるものの、根本的な解決には至りませんでした。ここまで確認すれば大概のエンジン始動不良は治るはずなんですが。
因みに圧縮は測定していませんが、今回は始動限定で起きる症状ですので関係ないと判断しています。

残された可能性

ここまで来ると残された可能性は、イグニッションコイルかイグナイターくらいしかなくなってきます。どちらも点火に関わってる部品です。

そこで改めて情報収集を行った結果、有力な情報をゲットしました。アクロスと同系統のエンジンである、カタナやバンディットなどの車両も同様の症状が発生しているとのこと。
そしてその多くが「イグナイターの故障」という結論に至っていました。

しかし当部品すでに廃盤とのことなので、イグナイター修理に踏み切ったということになります。

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使用する道具

今回行うのは電子機器の修理なので、必要な道具も「はんだごて」関係の道具が中心です。因みに素人による選定になりますのでご了承ください。

はんだごて修理道具

電子機器の修理ですので、これがないと作業不可能です。

今回の作業にあたり新調しました。電子部品が熱に弱いので、80〜480℃の間を1℃単位で温度調整ができるものにしました。また自動休眠機能もある優れものです。

はんだ線(両面プリント基盤用)

イグナイターは「両面プリント基盤」なので、専用のはんだ線にしました。

はんだ吸い取り機(吸い取り線)

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基板に残った古いはんだを取り除くために使用します。
はんだ吸い取り線が安価ですが、個人的には「はんだ吸い取り機」の方が使いやすかったです。

ヒートクリップ

電子部品を熱から守るための、放熱性に優れたクリップです。安価で購入できますので持っていて損はないでしょう。

フラックス

はんだの付着をよくするために使用します。こちらも安価で購入できます。

電解コンデンサ

イグナイターの修理は「電解コンデンサ」の交換がメインになります。
必要な電解コンデンサは下記の通り。

  • 35V47uF ×2
  • 25V10uF ×3

大は小を兼ねるので、現在使用されているもの以上の電圧・容量があれば大丈夫です。わからなければ、現物を確認しましょう。

秋葉原などに行けば簡単に購入できますが、手間や送料を考えてセットものを購入しました。一生使いきれない量を所持していますので、もし必要な方がいらっしゃいましたらツイッターにて相談してください。

防振・防水剤(グルーガンやシーラーなど)

ホルツ すき間シール剤 ブラックシーラー Holts MH208

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小さな部品のため振動対策、電子部品のため防水対策が必要です。今回はグルーガンとシリコンシーラントで行っています。

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作業手順

  1. ケースを開ける
  2. 電解コンデンサの配置と容量の確認
  3. コンデンサ・防振剤を除去する
  4. 残った足・ハンダを除去する
  5. コンデンサの設置準備
  6. コンデンサをはんだ付けする
  7. 防振・防水対策を行う

ケースを開ける

ケースを開ける

イグナイター本体をカッターなどで切り中身を出します。
このとき中の部品に傷が入らないように気をつけましょう。また、最終的には元に戻すので破壊はしないようにします。

イグナイター_中身

ケースから本体を取り出した状態にします。

電解コンデンサの配置と容量の確認

メモしておく

電解コンデンサを取り外す前に、位置・サイズ・極性を確認しておきましょう。

電解コンデンサの極性

電解コンデンサー情報

電解コンデンサーには極性があります。マイナス側は足が短く、白い帯が目印になっています。
また、容量は本体に記述があります。同程度以上の容量を使用しましょう。

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コンデンサ・防振剤を除去する

コンデンサーを除去する

防振剤(画像、黄色のボンド)とコンデンサーを取り除きます。
ニッパーなどで足を切断すると作業がしやすいです。

残った足・ハンダを除去する

残った足を

基板に残った電解コンデンサの足と、不要なはんだを吸い取り機などで取り除きます、

コンデンサの設置準備

足は調整する

コンデンサーの配置を確認し、足が基板に差し込めるように折り曲げて調整します。

コンデンサをはんだ付けする

はんだ付けする

新しい電解コンデンサをはんだづけします。
しっかりと前後にはんだが流れているか確認しましょう。

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防振・防水対策を行う

防振対策をする

電解コンデンサーが取り付けできたら、最後に防振対策をおこないます。
今回はグルーガンで使用しました。

防水対策
完了したらケースに本体を戻し、スキマに防水対策をおこない密閉しましょう。
今回はシリコンシーラントを使用しました。

端子の清掃

端子の清掃

最後にカプラー取り付け部の清掃を行いました。洗浄には「エレクトリッククリーナー」を使用しました。

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果たして効果はあったのか?

ビフォーアフター

今回はイグナイターの修理を行ってみました。
少し敷居が高い作業ではありますが、こんな修理方法もあることがわかっていただけましたでしょうか。

修理結果は、無事にセル1発でエンジン始動
現状では問題も起きていませんので、経過をみていきたいと思います。

これでも直らなければ「ツインキャブ」の仕様上かぶりやすいのは持病みたいなものなので、諦めるしかないのか。また、何かいい情報を仕入れたら共有させていただきます。

今回の修理も動画でも紹介させていただいておりますので、ぜひご覧になってください。

感想・質問などはTwitter(@kyosuke400)にて受け付けておりますので気楽に連絡ください♪

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イグナイター修理_サムネイル
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